AAAI秋のシンポジウム (FSS2023: Integration of Cognitive Architectures and Generative Models)

アメリカのワシントンDC(正確にはその隣のアーリントン)にて開催されたAAAI(アメリカ人工知能学会)のシンポジウムに森田が参加し、発表し、議論してきました。テーマは生成AIと認知アーキテクチャの統合についてです。

FSS2023: Integration of Cognitive Architectures and Generative Models
生成モデルは現在大変な社会現象になっています。この流れのなかにどのように認知モデル・認知アーキテクチャを組み入れられるか(プレゼンスを発揮できるか)という議論がされました。テーマの重要性からか、認知モデル・認知アーキテクチャを古くから研究されている大御所の先生方が多くいらっしゃっていました。またシンポジウムは全体を通してディスカッションの時間が多く、ボトムアップにコミュニティを形成していこうとする流れができていました。認知アーキテクチャを使うことで、生成AIに記号的に複雑な推論を付加できること、生成AIにおける身体性の不在をカバーでき、ロボット執事のような心の理論をもった人間の意図を察するエージェントを構築できることなどが議論されてました。一方で認知アーキテクチャの分野におけるベンチマークの不在、資金調達などの問題などについては乗り越えるべき弱点として議論されました。

ACMLからの発表は以下のものです(リンクは先行公開されているarxivのもの)。

Cognitive Architecture Toward Common Ground Sharing Among Humans and Generative AIs: Trial Modeling on Model-Model Interaction in Tangram Naming Task
Junya Morita, Tatsuya Yui, Takeru Amaya, Ryuichiro Higashinaka and Yugo Takeuchi

生成AIと認知アーキテクチャの統合により、人間と人工知能のコモングラウンド(コミュニケーションを行う際の前提)を形成するというもの。今回のシンポジウムのなかでは異色の発表で、会場からの反応はそれなりによかったのではないかと思います。

https://arxiv.org/abs/2311.05851

更新:2023/10/27