- 配属前に身につけねばならないスキルはなんですか。
配属前に求めるのは、本研究室の研究テーマ(認知モデリング)に対する関心、好奇心、モチベーション、チャレンジ精神です。これらがあれば、専門に関する知識や技術もおのずと身についていきます。 - 配属の選考にあたってGPAは考慮しますか。
過去、本研究室への配属希望者が配属枠を上回ったことはありません。今後、選考を行わなければならないときは、GPAではなく、モチベーションを判断材料としたいと思っています。これまで、多くの大学関係者が、研究活動とコースワークの成績の間に、大きな相関がないことを指摘しています。 - 配属後、研究を進めるにあたってどのような知識や技術を身につけていくことになりますか。
どのような研究室に配属されても、文章を読み書きする力(日本語/英語)、科学的思考力、プレゼンスキル、問題設定と解決にかかわるスキルを身につけていくことになります。本研究室では、これらに加え、専門と関連した情報通信技術、実験計画と統計の基礎知識、研究トピックと関連した過去の研究の成果を学んでいってもらいます。大変そうに思われるかもしれませんが、教員と先輩が手厚くサポートします。 - どのようなプログラミング言語を用いているのですか。
プログラミングは研究を進めるための道具・手段です。よって、言語は必要に応じて選択すればよいと考えています。ただ、道具というものは使っていると愛着が湧くのは確かです。また、扱う問題に向いている道具もあります。
本研究室は大学の研究室です。組織で成果を出すより、個の発想による独創性を重視します。そのため、学習が容易で、開発スピードも早いスクリプト言語を主に使います。Lispによるモデリング、Excel (w/ VBA)とRによる分析、PHPとJavascriptによる実験システムの構築が主です。実験システムを大規模化する際に、RailsやNode.jsなどのWebフレームワークを使うこともあります。また、デバイスやライブラリを使うためにC#やC++、Java、Python、Matlabを使う局面もでてきます。 - この研究室で心理学を学べるでしょうか。
「心理学」という言葉はとても曖昧ですが、「人間心理の科学」は本研究室の主要な研究ターゲットのひとつです。 - この研究室で人工知能を学べるでしょうか。
「人工知能」という言葉はとても曖昧ですが、「人間の知能のコンピュータシミュレーション」は本研究室の主要な研究アプローチのひとつです。 - ゼミの形式と頻度はどのようなものでしょうか。
毎週、発表者2名を指定した全体ミーティングを行います。発表者は、文献調査の結果、研究構想、研究進捗をまとめ、研究室全体のメンバーに共有します。そして、全員で問題解決の手段や次の方向を探ります。ゼミの時間は、抽象的な研究コンセプトを議論するだけでなく、論文検索を行ったり、ソースコードを検討したり、分析をしたりと実装レベルの細かな作業も必要に応じて進めます。この全体ミーティングに加え、個別でのミーティングを必要に応じて行います。 - コアタイムはありますか。
全員に共通のコアタイムはありません。ただし、大学院進学希望者、大学院生に対しては、一日8時間の研究時間を確保することを標準として指導をしています。 - 長期休暇はありますか。
基本的にカレンダー通りに休みを取っています。夏休みでも春休みでも週に一回の全体ミーティングを開催しています。ただし、個々のメンバーが帰省や旅行などで、長期休暇を取ることは妨げていません。全体ミーティング欠席の際には、事前に研究室MLにその旨報告することにしています。 - 統合的なアプローチが研究室の特徴とのことですが、卒論や修論で全てを行うのは不可能ではないでしょうか。
学生時代に全てのアプローチを統合をするのは難しいかもしれません。ただ、学生時代であっても、全体のゴールを俯瞰することは大事です。自分とは別のアプローチで研究を行っている仲間が隣にいる。そして、それぞれがお互いの研究の結びつきを意識できる。コミュニティとの繋がりのなかで研究を進める。全ての研究は巨人の肩に乗っているにすぎません。 - この研究室に配属された後に就職先があるか不安です。
少子高齢化のため、現在、情報系は空前の売り手市場です。目先の就職を心配するより、激動していく社会を生き抜くための普遍的な立ち位置を確立することに注力すべきでしょう。本研究室の立ち位置は「人間と情報の関係」を見つめるものであり、人生にわたって追求する価値のあるものと考えています。 - 研究室でなにかレクリエーションはないのですか。研究だけやっていると鬱になりそうです。
本研究室は歴史が浅いので、レクレーション的な行事の積み重ねはまだありません。ただ飲み会は確実にやります。(学会参加という名の)ゼミ旅行にも行きたいですね。そのほか研究室の皆が楽しめるイベントのアイデアがあればお知らせください。皆さんと一緒に研究室を作っていきたいと思っています。